朝、証券口座を開いたら、昨日までより資産が大きく減っている。
株価が急落したとき、
頭では「投資には値下がりもある」と分かっていても、
実際に自分のお金が減っていくのを見ると不安になるものです。
「もっと下がるかもしれない」
「今のうちに売った方がいい?」
「せっかく増えた利益がなくなる前に逃げたい」
特に40代からの投資では、
老後資金やこれからの生活を意識しているからこそ、
下落に対する怖さも大きくなりやすいでしょう。
株価が1日で大きく下がった。
SNSでは「暴落」「まだ下がる」という投稿ばかり。
評価益もどんどん減っている。
そこで全部売るのか。
買い増すのか。
それとも、何もしないのか。
急落時に注意したいのは、
株価が下がったことだけを見て、
その場の感情で投資方針まで変えてしまうことです。
「下がったから売る」でも、
「下がったから買う」でもなく、
まず自分の投資計画に戻る。
「未来の株価を当てること」ではなく、
「自分が何をするか」を決めておくこと。
この記事では、
株価が急落したときに感情だけで売買しないための
8つのルールを整理します。
- 株価急落時に最初に確認したいこと
- 「下がったから売る」が危険な理由
- 長期投資と個別株で判断を分ける考え方
- 買い増しする前に確認したい条件
- 暴落時に感情で動かないための8つのルール
- NISAで積立中に急落したときの考え方
目次
なぜ株価が急落すると、売りたくなるのか
投資を始めるときは、
多くの人が「長期で持とう」と考えています。
ところが実際に株価が大きく下がると、
その方針を守ることが急に難しくなります。
金額で損失を見るから
「5%下落」より、
「資産が30万円減った」と表示される方が、
損失を現実的に感じやすくなります。
悪い情報が増えるから
相場が荒れると、
ニュースやSNSでも悲観的な情報が目立ち、
「もっと下がるのでは」という不安が強くなります。
損失を止めたくなるから
下落が続くと、
「これ以上減る前に売りたい」という気持ちが
強くなりやすくなります。
だからこそ、急落してから考えるのではなく、
平常時に自分のルールを作っておく
ことが大切です。
ルール1|「下がった」という理由だけで売らない
株価が大きく下がったとき、
最初にやってしまいやすいのが
「これ以上損したくないから売る」という判断です。
しかし、
価格が下がったことと、
投資を続ける理由がなくなったことは別です。
「株価が下がったから売りたい」のか。
それとも、
「投資を続ける前提そのものが変わったから売りたい」のか。
たとえば長期の資産形成を目的に、
十数年先まで使う予定のない資金で
分散された投資信託を積み立てているとします。
その場合、一時的な市場下落だけを理由に
長期の計画そのものを変更する必要があるのか、
一度確認してみる余地があります。
お金が必要になった、
リスクを取りすぎていた、
投資目的が変わった、
個別企業の前提が崩れたなど、
売却を検討する合理的な理由はあります。
大切なのは、
「怖くなったから」だけで決めないことです。
ルール2|まず「なぜ下がったのか」を分けて考える
同じ10%の下落でも、
原因によって意味は違います。
市場全体が下がっている
景気への懸念、金利、地政学リスクなどによって、
幅広い株式市場が下落しているケースです。
特定の業種だけが下がっている
業界環境や規制、需要の変化などによって、
一部のセクターに売りが集中しているケースです。
保有企業だけが大きく下がっている
業績悪化、不祥事、財務悪化、減配など、
企業固有の問題が発生している可能性があります。
「何が変わったのか」を見る。
ルール3|長期投資と個別株を同じルールで考えない
「長期投資だから下がっても持ち続ける」という考えを、
すべての投資にそのまま当てはめることはできません。
| 投資 | 急落時に確認したいこと |
|---|---|
| 分散されたインデックス投資 | 投資期間・資産配分・積立目的が変わっていないか |
| 個別株 | 業績・財務・競争力・投資した理由が崩れていないか |
| 高配当株 | 利益・キャッシュフロー・配当方針・減配リスクなど |
市場全体に幅広く投資する商品と、
一つの企業に投資する個別株では、
リスクの性質が違います。
市場全体の長期的な成長を期待する考え方と、
特定企業の株価が必ず元の水準へ戻ると考えることは別です。
個別株では、
投資した前提が現在も成り立っているか
を確認します。
ルール4|生活に必要なお金まで使って買い増さない
株価が下がると、
今度は反対に
「安くなったから買わなければ」と思うことがあります。
でも、
下落したからといって、
無条件に買い時になるわけではありません。
- 生活防衛資金を残しているか
- 数年以内に使う予定のお金ではないか
- すでに投資額が大きくなりすぎていないか
- さらに下落しても保有を続けられるか
- 「安そう」という理由だけで買おうとしていないか
「安く買えるチャンス」と
「無理をして買うチャンス」は違います。
ルール5|SNSを見すぎて判断を変えない
急落した日は、
SNSを開けばさまざまな意見が流れてきます。
「まだ下がる」
「絶好の買い場」
「全部売った」
「ここで買わない人は損」
でも、その人とあなたでは、
資産額も、収入も、年齢も、
投資期間も、リスク許容度も違います。
情報を集めることは必要です。
ただし、
他人の結論をそのまま自分の売買ルールにしない
こと。
情報量を増やすほど冷静になるとは限らない。
ルール6|「底値を当てよう」としない
急落すると、
「もう少し下がったら買おう」と考えます。
ところが実際には、
どこが底だったのかは、
相場が反転した後にならなければ分かりません。
底値を完璧に当てようとすると、
買えないまま上昇したり、
一度に大きな金額を入れてさらに下落したりすることがあります。
ルール7|売る条件を、下落する前に決めておく
急落時に冷静でいるために役立つのが、
平常時に「売却を検討する条件」を決めておくこと
です。
使う時期が来た
老後資金など、
もともと予定していた目的に使う時期が近づいた場合。
資産配分が偏った
株式など特定の資産が、
自分の許容できる割合を大きく超えた場合。
投資した前提が崩れた
個別株などで、
業績・財務・事業環境などを確認し、
保有理由そのものが変わった場合。
反対に、
「今日は怖いから」
は、それだけでは売却理由にしない。
ルール8|何もしないことも投資判断の一つと考える
株価が大きく動くと、
「何かしなければ」と思ってしまいます。
売る。
買う。
積立額を増やす。
別の商品へ乗り換える。
でも、確認した結果、
投資目的も期間も資産配分も変わっていないのであれば、
何もしない
という選択肢もあります。
確認したうえで動かないのも、一つの判断。
相場が動くたびに戦略を変えるのではなく、
自分の目的・期間・リスク許容度に変化があったときに見直す。
NISAで積立中なら、急落したときどうする?
NISAで投資している場合も、
急落時に見るべきなのは
「NISAだから売る・売らない」ではありません。
大切なのは、
何に投資していて、
何のために保有しているのか
です。
つみたて投資枠で分散された投資信託を
長期目的で積み立てている場合と、
成長投資枠で個別株を保有している場合では、
急落時に確認するポイントが違います。
| 投資 | 急落時に見ること |
|---|---|
| 積立・インデックス投資 |
投資目的・運用期間・資産配分が 変わっていないか |
| 個別株 |
業績・財務・事業環境など、 投資した理由が今も成り立っているか |
NISAの制度内容や対象商品については、
変更・更新される可能性があります。
最新情報は金融庁の公式サイトで確認しておきましょう。
株価が急落した日に確認する5つのこと
ここまでの内容を、
実際に相場が急落した日に使える形にまとめます。
01
投資目的は変わった?
老後など、
投資を始めた目的そのものに
変化があるか確認します。
02
使う時期は変わった?
長期で運用できると思っていたお金を、
近いうちに使う必要が出ていないか確認します。
03
下落の原因は何?
市場全体なのか、
業界なのか、
保有企業固有の問題なのかを分けます。
04
リスクを取りすぎていない?
下落が怖くて生活に支障が出るほどなら、
投資額や資産配分そのものを
見直す必要があるかもしれません。
05
今日、本当に売買する必要がある?
すべて確認してから、
「今日動かなければならない理由があるか」を考えます。
まとめ|急落した日に、一番大切なのは「自分のルール」
株価の上昇や下落を、
私たちがコントロールすることはできません。
次の暴落がいつ来るのかも、
どこまで下がるのかも、
正確に予測することはできません。
でも、
そのとき自分がどう行動するか
は、あらかじめ考えておくことができます。
- 「下がった」という理由だけで売らない
- まず下落の原因を分けて考える
- 長期投資と個別株を同じルールで考えない
- 生活に必要なお金まで使って買い増さない
- SNSを見すぎて判断を変えない
- 底値を当てようとしない
- 売る条件を平常時に決めておく
- 何もしないことも選択肢に入れる
相場が荒れたときほど、
株価ではなく「自分の投資計画」に戻る。
40代からの投資では、
一度の売買で大きく勝つことよりも、
これからの人生に必要なお金を守りながら、
無理なく資産形成を続けられることの方が大切です。
編集後記
投資をしていると、
株価が上がっているときより、
下がっているときの方が
「自分は投資に向いていないのかもしれない」
と感じることがあります。
でも、本当に考えたいのは、
相場に強い人になることではありません。
自分はどこまでの値下がりなら受け入れられるのか。
何のために投資しているのか。
そのお金をいつ使うのか。
下落相場は、
それを確認する機会でもあります。
「上がるか、下がるか」ではなく、
「私は、どうするか」。
自分のルールを持つことが、
40代から長く投資と付き合っていくための
一つの土台になると思います。
※本記事は株式・投資信託等の資産形成に関する
一般的な情報提供を目的としたもので、
特定の金融商品・銘柄の購入、保有または売却を
推奨するものではありません。
株式・投資信託等には価格変動等による
元本割れの可能性があります。
投資判断にあたっては、
商品・制度等の最新情報をご確認のうえ、
ご自身の資産状況・投資目的・運用期間・
リスク許容度に応じてご判断ください。