相続した実家を売ることに決めた。
そこで次に迷うのが、
「どの不動産会社に相談すればいいの?」
ということです。
テレビCMで見る大手。
地元の不動産会社。
相続不動産を専門に扱う会社。
インターネットの不動産査定。
選択肢が多いからこそ、
初めて実家を売る人ほど迷います。
「まずどこに相談すればいい?」
「大手と地元の会社、どっちがいい?」
「査定額が一番高い会社を選べばいい?」
「何社くらいに査定してもらえばいい?」
「相続した家だと普通の売却と何が違う?」
実家の売却で大切なのは、
一番高い査定額を出した会社を選ぶことではありません。
査定価格は、
あくまで
「このくらいの価格で売れる可能性があります」という見込み
です。
「いくらと言ったか」だけではなく、
「なぜその価格なのか」。
相続した実家だからこそ、
価格だけでなく、
相続・空き家・古い住宅の売却まで
きちんと説明してくれる会社を選ぶことが大切です。
- 相続した実家を売るときの主な相談先
- 大手・地元・相続に強い不動産会社の違い
- 査定額だけで会社を決めない方がいい理由
- 不動産会社を選ぶ7つのポイント
- 複数社へ査定を依頼するときの見方
- 一般・専任・専属専任媒介契約の違い
- 売却前に確認しておきたい相続特有の問題
目次
相続した実家を売るなら、まずどこに相談する?
実家を売却するとき、
売却の中心になる相談先は
不動産会社です。
不動産会社では、
実家の査定から売り出し価格の提案、
広告、購入希望者との調整、
売買契約、引き渡しまで
売却をサポートします。
ただし、
相続した実家の場合は
不動産会社だけでは解決できないこともあります。
| 相談内容 | 主な相談先 |
|---|---|
| 実家の査定・売却 | 不動産会社 |
| 相続登記 | 司法書士 |
| 売却時の税金 | 税理士 |
| 兄弟間の遺産分割トラブル | 弁護士 |
| 建物の状態確認 | 建築士・インスペクション事業者など |
「司法書士や税理士まで、自分で全部探さなければ」
と考える必要はありません。
相続不動産の売却経験がある会社なら、
必要に応じて司法書士や税理士などと連携している場合があります。
大手・地元・相続に強い会社、どこがいい?
不動産会社といっても、
すべて同じではありません。
実家の場所や状態によって、
得意な会社は変わります。
大手不動産会社
店舗網や広告力、
購入希望者の情報量などが期待できます。
取引の仕組みが整っている会社も多いのが特徴です。
地域密着型の不動産会社
地域の相場や購入希望者、
土地の特徴などをよく把握している場合があります。
相続・空き家に強い会社
相続登記、残置物、古い家、
空き家売却などの相談経験が豊富な会社があります。
「地元だから一番詳しい」でもありません。
大切なのは、
その実家の売却に合っているかどうかです。
たとえば、
地方にある築40年の実家と、
都心の駅近マンションでは、
売却戦略は大きく違います。
会社名だけではなく、
似た物件を実際に扱った経験があるか
を確認しましょう。
査定額が高い会社=高く売れる会社ではない
不動産会社を比較するとき、
一番目につくのが査定額です。
たとえば3社へ査定を依頼したら
A社 2,800万円
B社 3,000万円
C社 3,500万円
と査定されたとします。
すると、
C社にお願いしたくなるかもしれません。
しかし、
査定額と実際の売却価格は同じではありません。
高い価格で売り出しても、
買い手が見つからなければ、
何度も値下げすることになる場合があります。
周辺でどんな物件が、
いつ、
どの程度の価格で売れているのか。
土地の広さ、築年数、道路、建物状態などを
どう評価したのか。
数字の根拠を説明してもらいましょう。
「一番高い査定額」ではなく、
「一番納得できる説明」をしてくれた会社を見る。
不動産会社を選ぶ7つのポイント
相続不動産の売却経験がある
相続した実家には、
相続登記、遺産分割、
空き家、残置物など
通常の住み替えとは違う問題が出てくることがあります。
相続物件を扱った経験があるか確認しましょう。
その地域での売却実績がある
不動産は、
場所によって需要が大きく変わります。
「不動産売却に強い」だけではなく、
実家がある地域で
どんな取引経験があるのか確認します。
査定価格の根拠を説明できる
「3,000万円です」
だけではなく、
なぜその価格なのかを聞きます。
類似物件や周辺相場、
物件の強み・弱みまで
説明してくれるかを見ましょう。
売却戦略を具体的に話してくれる
「この価格なら売れます」
だけでは十分ではありません。
どの価格から売り出すのか。
どこへ広告するのか。
どんな購入者を想定しているのか。
売却までの考え方を聞いてみましょう。
デメリットも説明してくれる
信頼できる担当者ほど、
良いところだけではなく
売りにくい理由も説明します。
築年数、立地、接道、
建物状態など、
マイナス要因についても聞いてみましょう。
費用について事前に説明してくれる
仲介手数料だけでなく、
測量、解体、残置物処分など、
物件によって必要になる費用があります。
「結局いくら手元に残るのか」
まで相談できる会社だと比較しやすくなります。
担当者と話が通じる
実家の売却は、
査定をして終わりではありません。
販売活動、内覧、
条件交渉、契約、引き渡しまで
やり取りが続きます。
質問にきちんと答えてくれるか、
急かさず説明してくれるかも
大切な判断材料です。
査定は1社だけで決めない
初めて実家を売る場合、
最初に相談した会社だけで
そのまま決めてしまうことがあります。
しかし、
不動産会社によって
査定価格や販売方針は変わります。
できれば複数の会社から話を聞き、
比較してみましょう。
| 比較するもの | 見るポイント |
|---|---|
| 査定価格 | 金額だけでなく根拠を見る |
| 売り出し価格 | 最初にいくらで市場へ出すか |
| 売却期間 | どの程度の期間を想定しているか |
| 販売方法 | 広告・購入希望者への紹介方法 |
| 相続への対応 | 相続物件の経験があるか |
| 費用 | 仲介手数料やその他の費用 |
| 担当者 | 説明・対応・連絡のしやすさ |
査定してもらう目的は、
実家の価格を知ることだけではありません。
その会社が、
自分たちの実家をどう見て、
どう売ろうとしているのかを確認する機会でもあります。
査定時に聞いておきたい7つの質問
不動産会社へ査定を依頼したら、
査定額だけを聞いて終わらせないようにします。
- 「この査定価格になった根拠は何ですか?」
- 「実際には、いくらから売り出しますか?」
- 「この地域で似た物件を売ったことがありますか?」
- 「この実家の売りやすい点・売りにくい点は何ですか?」
- 「どんな人が購入しそうですか?」
- 「どのくらいの期間で売れると考えていますか?」
- 「売却までに必要になりそうな費用はありますか?」
この7つを聞くだけでも、
会社ごとの考え方の違いが
見えやすくなります。
その数字をどう説明するかを見る。
媒介契約は3種類|違いを知っておく
実際に不動産会社へ
売却を依頼するときには、
媒介契約
を結びます。
主な媒介契約には、
3つの種類があります。
| 媒介契約 | 主な特徴 |
|---|---|
| 一般媒介 | 複数の不動産会社へ依頼できる |
| 専任媒介 | 基本的に1社へ依頼する |
| 専属専任媒介 | 1社へ依頼し、自分で見つけた買主との直接契約にも制限がある |
専任媒介や専属専任媒介では、
不動産会社に
指定流通機構(レインズ)への登録義務や、
売主への販売活動の報告義務があります。
複数社へ依頼したいのか、
一社に集中して販売してもらいたいのかなどによって
選択肢は変わります。
契約する前に、
それぞれの違いと販売方法を説明してもらいましょう。
相続した実家だからこそ確認したいこと
自分が購入した家を売る場合と、
相続した実家を売る場合では、
売却前に確認することが少し違います。
- 遺言書があるか
- 相続人は確定しているか
- 誰が実家を取得するか決まっているか
- 相続登記は済んでいるか
- 兄弟全員の認識は一致しているか
- 住宅ローンや抵当権は残っていないか
- 土地の境界に問題はないか
- 建物内に親の荷物が残っていないか
- 売却時に使える税制上の特例がないか
「相続登記が終わってからでないと査定できない」
と考える必要はありません。
まず査定を受け、
実家の価値を把握しながら
必要な手続きを整理していく方法もあります。
ただし、実際に売却手続きを進める際には、
名義や相続関係を適切に整理する必要があります。
売却にかかる費用も先に確認する
実家が3,000万円で売れたからといって、
3,000万円がそのまま手元に残るわけではありません。
売却には、
さまざまな費用が発生する可能性があります。
- 不動産会社への仲介手数料
- 売買契約書に関する印紙税
- 登記関係の費用
- 司法書士への報酬
- 測量費
- 家財・残置物の処分費
- 必要に応じた解体費
- 売却利益が出た場合の税金
不動産会社の仲介手数料には
法令上の上限があります。
また、
物件価格が800万円以下の宅地・建物については、
「低廉な空家等」に関する
仲介手数料の特例が適用される場合があります。
800万円以下の物件では、
通常の計算方法とは異なる
仲介手数料の上限が適用される場合があります。
媒介契約を結ぶ前に、
いくら必要なのか書面などで確認しましょう。
比較するのは「売却価格」だけではなく、
最終的にいくら手元に残るのか。
こんな不動産会社は慎重に考える
不動産会社を選ぶときは、
査定額だけでなく
担当者の説明や姿勢も見ます。
査定額の根拠を説明しない
「絶対この価格で売れます」
と言うだけで、
周辺相場や根拠を説明しない場合は慎重に判断します。
すぐに契約を迫る
他社と比較する時間を与えず、
その場で媒介契約を結ぶよう強く迫る場合は、
一度持ち帰って考えましょう。
メリットしか話さない
古い家や地方の実家には、
売りにくい理由がある場合もあります。
良い点と悪い点の両方を説明してくれるかを見ます。
費用の説明が曖昧
仲介手数料やその他の費用について、
契約前に確認できない場合は注意します。
質問への回答が分かりにくい
不動産の売却は大きなお金が動く取引です。
分からないことを質問したときに、
納得できるまで説明してくれる担当者を選びましょう。
実家を売却するまでの流れ
最後に、
実家を売却するときの
大まかな流れを整理しておきましょう。
01
相続関係を確認する
相続人、遺言書、
誰が実家を取得するのかを整理します。
02
実家を査定してもらう
複数の不動産会社から
査定額とその根拠を確認します。
03
不動産会社を選ぶ
価格だけでなく、
実績・販売方法・担当者まで比較します。
04
媒介契約を結ぶ
契約内容と費用を確認して、
売却を依頼します。
05
売却活動を始める
広告や購入希望者への紹介、
内覧などを進めます。
06
条件を確認して売買契約
売却価格や引き渡し条件などを確認し、
売買契約を結びます。
07
決済・引き渡し
残代金を受け取り、
登記などの手続きを行って
買主へ物件を引き渡します。
「売る会社を決めること」ではなく、
「実家の今の価値を知ること」。
まとめ|査定額ではなく「任せられる会社」を選ぶ
相続した実家は、
多くの人にとって
人生で何度も売るものではありません。
だからこそ、
最初に相談した不動産会社だけで
急いで決める必要はありません。
01
まず実家の価値を知る
査定を受けて、
現在どの程度の価値があるのか確認します。
02
複数社を比較する
査定額だけでなく、
根拠や販売方法も比べます。
03
相続への対応力を見る
相続登記や空き家などについても
相談できるか確認します。
04
費用と手取りを確認する
いくらで売れるかだけでなく、
最終的にいくら残るのかを確認します。
05
納得できる会社へ依頼する
金額・説明・売却方法・担当者を見て、
任せられる会社を選びます。
その価格の理由と、
「どう売るか」を説明できる会社を選ぶ。
相続した実家を売る第一歩は、
売却を決めることではありません。
まず価値を知り、
選択肢を比較するところから始めましょう。
免責事項
本記事は、相続した不動産の査定・売却や
不動産会社の選び方について、
一般的な情報をわかりやすく紹介することを目的としています。
不動産の査定価格、売却条件、仲介手数料、
相続登記、税金などは、
物件や契約内容、個別の事情によって異なります。
実際に売却を行う場合は、
国土交通省・法務局・税務署などの最新情報を確認し、
必要に応じて不動産会社・司法書士・税理士・弁護士などの
専門家へご相談ください。
START FROM 39
売る。残す。貸す。家族で考える。
査定をしたからといって、
すぐに売却を決める必要はありません。
Start From 39では、
相続した実家について、
「後悔しないための判断材料」
を一つずつ整理していきます。