「うちの子、優しすぎるんです」
そう話すとき、
どこか誇らしくて、
でも同時に少しだけ不安になることはありませんか。
- 嫌なことでも「いいよ」と言ってしまう
- 友達に合わせることが多い
- 自分の希望を後回しにする
- 困っていても「大丈夫」と言ってしまう
- 人を傷つけないように、自分ばかり我慢する
優しさは、
人とつながるための大切な力です。
だからこそ、
その優しさが「我慢」や「無理」に変わってしまわないように、
自分を守る力も一緒に育てていきたい。
「何でも我慢できるいい子」ではなく、
自分も相手も大切にできる子。
優しさを失わせるのではなく、
優しさを守れる強さを育てる。
- 「優しい子」と「我慢してしまう子」の違い
- 子どもに伝えたい、自分を守る7つの言葉
- 「NO」と言う力を家庭でどう育てるか
- 違和感や困りごとを話せる関係の作り方
- 親自身が見せたい「自分を大切にする姿」
目次
優しさは弱さではない。でも「境界線」は必要
優しい子は、
相手の気持ちをよく見ています。
困っている人に気づける。
場の空気を読める。
誰かが嫌な思いをしないように配慮できる。
それは、
とても大切な力です。
ただ、
相手を思いやることと、
自分を我慢させ続けることは同じではありません。
| 健やかな優しさ | 苦しくなりやすい優しさ |
|---|---|
| できる範囲で助ける | 嫌でも断れない |
| 相手の気持ちも考える | 自分の気持ちを後回しにする |
| 嫌なことは嫌と言える | 嫌われるのが怖くて合わせる |
| 困ったら助けを求める | 一人で抱え込む |
「ここまでは大丈夫。でも、これは嫌」
と自分の気持ちを感じて伝える力です。
優しさと境界線は、
どちらか一方ではありません。
自分を守れるからこそ、
無理のない優しさを長く持ち続けられます。
子どもに必要なのは「いい子」でいることではない
親としては、
人に迷惑をかけず、
周りと仲良くできる子に育ってほしいと思うものです。
でも、
「いい子でいなければならない」が強くなりすぎると、
自分の気持ちを隠す癖につながることがあります。
自分の気持ちに気づく
嬉しい、嫌だ、怖い、疲れた。
まず自分の感情を感じられることが出発点です。
嫌なことを伝える
相手を傷つけずに
「それは嫌」「やめて」と言える力を育てます。
困ったら助けを求める
一人で解決できないときに、
信頼できる大人へ話せることも大切な力です。
何でも一人でできることではない。
必要なときに「助けて」と言えることも含まれる。
優しすぎる子どもに伝えたい7つの言葉
子どもが困った場面に出会ったとき、
とっさに使える言葉を家庭の中で持っておくと安心です。
「嫌なことは、断っていい」
断ることは、
わがままではありません。
自分の気持ちや安全を守るための大切な行動です。
「全員に好かれなくていい」
どんな人にも合う人・合わない人がいます。
無理に好かれようとしなくても大丈夫です。
「自分の気持ちも大切にしていい」
相手を思いやることと、
自分を後回しにすることは別です。
「私はどうしたい?」も大切にしていいと伝えます。
「なんか嫌だ、と思ったら離れていい」
違和感を無視しなくていい。
怖い、嫌だ、変だと感じたら、
その場を離れたり大人に相談したりしていいと伝えます。
「やめて、嫌だ、と言っていい」
我慢する必要はありません。
ただし、言い返して争うことが目的ではなく、
はっきり伝えて距離を取ることを優先します。
「困ったら、何度でも話していい」
すぐに話せないこともあります。
「あとからでもいい」「何回話してもいい」と伝えておくと、
子どもは相談しやすくなります。
「あなたの価値は、誰かの評価だけでは決まらない」
学校の成績や友達の反応だけが、
その子の価値ではありません。
家庭の中で繰り返し伝えていきたい言葉です。
家庭でできる「断る練習」
いざというときに「NO」を言うのは、
大人でも簡単ではありません。
だからこそ、
普段の家庭の中で小さく練習しておくと役立ちます。
01
まず気持ちを聞く
「どうしたい?」と聞き、
親の答えを先に与えすぎないようにします。
02
短い言葉を一緒に考える
「今日はやめとく」
「それは嫌」
「今はできない」など、
子どもが言いやすい言葉を用意します。
03
親子で練習する
親が相手役になり、
断る・離れる・助けを求める練習をしてみます。
04
言えたことを認める
上手に言えたかより、
「自分の気持ちを伝えられたこと」を認めます。
「今日はやめておくね」
「それはしたくない」
「やめて」
「ちょっと先生に話してくる」
「家に帰ってから決める」
「断る=相手を傷つける」ではありません。
自分の境界線を伝えるためのコミュニケーションです。
子どもの小さなサインを見逃さない
優しい子ほど、
「親を心配させたくない」と思って
困りごとを言わないこともあります。
だから、
言葉だけでなく変化にも目を向けます。
- 学校や習い事へ行くのを急に嫌がる
- 特定の人の話になると表情が変わる
- 以前より元気がない・眠れない様子がある
- 物がなくなる・壊れることが増える
- 「自分が悪い」と繰り返すようになる
心配な変化があっても、
「何があったの?」と問い詰め続けると
話しにくくなることがあります。
「話したくなったらいつでも聞くよ」
と伝え、必要に応じて学校・園・専門機関など
信頼できる大人と連携してください。
「あなたの味方だよ」が先。
親ができる一番大切なこと
子どもは、
親が何を言うかだけではなく、
どう生きているかも見ています。
親も「NO」と言う
無理なことは断る姿を見せることで、
子どもも断っていいと学びます。
親も助けを求める
「一人で全部やらなくていい」ことを、
行動で伝えられます。
親も自分を大切にする
休む、距離を取る、好きな時間を持つ。
自分を守る姿も大切なメッセージです。
「優しい人ほど、我慢しなければならない」
という生き方を手渡さないこと。
子どもに自分を大切にしてほしいなら、
親自身も自分を大切にする。
その姿そのものが、
言葉以上の教育になることがあります。
まとめ|優しさを守るために「自分を守る力」も育てる
優しいことは、
変えるべき性格ではありません。
むしろ、
その優しさは子どもの大切な魅力です。
だからこそ、
その優しさが我慢に変わらないように、
自分を守る言葉も一緒に育てていきたい。
- 嫌なことは断っていい
- 全員に好かれなくていい
- 自分の気持ちも大切にしていい
- 違和感を感じたら離れていい
- 困ったら大人に助けを求めていい
- あなたの価値は誰かの評価だけでは決まらない
反対ではない。
自分を守れる優しさが、
その子らしさを守ってくれる。
編集後記
「いい子」でいることが正しい。
そう信じていた時期がありました。
でも、
相手を優先し続けることで
自分が苦しくなることもあります。
優しい人に必要なのは、
優しさを捨てることではありません。
自分の気持ちにも、
同じくらい優しくすること。
子どもにも、
そんな「強い優しさ」を
手渡していけたらと思います。
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