親から実家や土地を相続したとき、
必要になるのが
相続登記です。

でも、いざ手続きを始めようとすると、
こんな疑問が出てきます。

相続登記、どうすればいい?

「自分でできる?」
「司法書士に頼まないといけない?」
「費用はいくらかかる?」
「実家1軒だけなら自分で十分?」
「どんな司法書士を選べばいい?」

結論からいうと、
相続登記は
自分で申請することもできます。

ただし、
必要な戸籍を集め、
不動産を確認し、
登記申請書を作成し、
法務局へ申請する必要があります。

相続人が多い、
不動産が複数ある、
長年名義変更していないなど、
内容が複雑になるほど
司法書士へ依頼するメリットは大きくなります。

相続登記で比べたいのは、
「自分でできるか」だけではありません。
「自分でやる手間」と「専門家に任せる費用」を比べる。


実家1軒のシンプルな相続なら
自分で進められることもあります。
一方、相続関係や不動産が複雑なら、
最初から司法書士へ相談した方が
スムーズなケースもあります。

この記事でわかること
  • 相続登記は自分でできるのか
  • 司法書士に頼むと何をしてくれるのか
  • 自分でやる場合との違い
  • 相続登記にかかる費用
  • 司法書士に依頼した方がいいケース
  • 失敗しない司法書士の選び方
  • 相談前に聞いておきたいこと

相続登記とは?

相続登記とは、
親などが亡くなったことで
不動産を相続したときに、
登記上の所有者を
相続人へ変更する手続きです。

たとえば

父名義の実家を
長男が相続した場合、
登記簿上の所有者を
「父」から「長男」へ変更します。

相続する不動産には、
実家だけでなく、

相続登記の対象になる不動産の例
  • 自宅・実家
  • 土地
  • マンション
  • 賃貸物件
  • 山林
  • 農地
  • 私道などの持分

などがあります。

実家を相続したら、まず「名義」を確認する

親が住んでいたからといって、
必ず親一人の名義とは限りません。
祖父母名義のままだったり、
共有名義になっていたりすることもあります。
相続登記を始める前に、
登記事項証明書などで現在の登記名義を確認します。

相続登記は2024年4月から義務化されている

相続登記について
特に知っておきたいのが、
申請義務と期限です。

2024年4月1日から、
相続登記の申請が義務化されました。

基本は「知った日から3年以内」

相続によって不動産を取得した相続人は、
その所有権を取得したことを知った日から
原則3年以内に
相続登記を申請する必要があります。

また、
遺産分割の話し合いによって
不動産を取得する人が決まった場合には、
遺産分割成立の日から3年以内に
その内容に沿った登記をする必要があります。

正当な理由なく放置すると過料の可能性も

正当な理由なく
相続登記の申請義務を果たさなかった場合、
10万円以下の過料の対象になることがあります。

「売る予定がないから」
「兄弟でまだ決まっていないから」
と、そのまま何年も放置しないことが大切です。

相続登記は自分でできる?

相続登記は、
司法書士へ必ず依頼しなければならない
手続きではありません。

必要書類を集め、
登記申請書を作成すれば、
相続人自身で法務局へ申請することもできます。

自分で進める主な作業
  • 相続する不動産を調べる
  • 登記事項証明書などを確認する
  • 戸籍など必要書類を集める
  • 相続人を確定する
  • 必要に応じて遺産分割協議を行う
  • 登記申請書を作成する
  • 登録免許税を計算する
  • 管轄法務局へ申請する

書類に不備があれば、
法務局から補正を求められることもあります。

「自分でできる」ことと、
「簡単にできる」ことは同じではありません。

日本司法書士会連合会も、
相続登記は自分で申請できる一方で、
必要書類の収集や申請書作成、
法務局への対応などの
手間がかかると案内しています。

司法書士に頼むと何をしてくれる?

司法書士は、
不動産登記を専門分野の一つとする専門家です。

相続登記を依頼すると、
ケースに応じて
書類収集から調査、
登記申請書の作成、
申請まで対応してもらえます。

01

必要書類の確認

どの戸籍や証明書が必要なのかを整理します。

02

相続関係の確認

戸籍などから
相続関係を確認します。

03

申請書の作成

相続内容に合わせて
登記申請書などを作成します。

04

登記申請

法務局への相続登記申請を
代理してもらえます。

日本司法書士会連合会は、
司法書士へ依頼した場合、
基本的に書類収集から調査・作成・申請まで
司法書士が行うと案内しています。

司法書士に頼む一番のメリット

「書類を書いてもらうこと」だけではありません。
自分の相続では
何が必要なのかを整理し、
登記完了までの手続きを
一つずつ進めてもらえることにあります。

自分でやる場合と司法書士に頼む場合の違い

比較 自分で行う 司法書士へ依頼
司法書士報酬 不要 必要
登録免許税 必要 必要
書類収集 自分で行う 依頼内容に応じて任せられる
申請書作成 自分で行う 任せられる
法務局への対応 自分で対応 代理してもらえる
複雑な相続 負担が大きくなりやすい 専門家へ整理を任せられる

自分で行う最大のメリットは、
司法書士報酬を抑えられること
です。

一方、
司法書士へ依頼するメリットは、
時間と手間を減らせることに加えて、
相続関係や不動産の状況に合わせて
登記手続きを進めてもらえる点です。

「費用を節約するか」だけではなく、
「自分の時間をどこまで使うか」で考える。

相続登記の費用はいくら?

相続登記にかかる費用は、
大きく3つに分けて考えると
分かりやすくなります。

01

登録免許税

相続登記をするときに
国へ納める税金です。

02

書類取得費用

戸籍や証明書などを
取得するための費用です。

03

司法書士報酬

司法書士へ依頼した場合に
発生する報酬です。

登録免許税

相続による所有権移転登記では、
原則として
固定資産評価額の0.4%
が登録免許税となります。

たとえば

固定資産評価額が1,000万円なら、
1,000万円 × 0.4% =
4万円
が一つの計算例です。

登録免許税は、
自分で相続登記をする場合でも必要です。
なお、一定の要件を満たす場合には
免税措置が適用されることがあります。

書類取得費用

相続登記では、
戸籍謄本など
さまざまな証明書が必要になります。

必要な書類の種類や枚数は、
相続人の人数や家族関係によって変わります。

司法書士報酬

司法書士へ依頼する場合は、
登録免許税などとは別に
司法書士への報酬が発生します。

司法書士報酬は全国一律ではない

司法書士の報酬は、
各司法書士が設定しています。
不動産の数、
相続人の人数、
戸籍収集の有無、
遺産分割協議書作成など、
依頼内容によって変わることがあります。

日本司法書士会連合会も、
報酬は各司法書士が自由に定め、
報酬額や算定方法、
諸費用を明示したうえで
依頼者との合意によって決めると案内しています。


「相続登記○万円〜」だけで決めず、
登録免許税・実費・司法書士報酬を含めて
最終的にいくらになるのか確認しましょう。

司法書士に依頼した方がいいのはどんなケース?

実家1軒だけで、
相続人も少なく、
誰が相続するか決まっている場合は、
自分で進められることもあります。

一方、
次のような場合は
司法書士への相談を検討した方が
進めやすくなります。

01

相続人が多い

集める戸籍や確認事項が増え、
相続関係が複雑になりやすくなります。

02

不動産が複数ある

実家だけでなく、
土地・私道・山林などがある場合は、
不動産の確認自体に手間がかかることがあります。

03

何年も相続登記していない

祖父母など以前の所有者名義のままの場合、
相続関係が複雑になることがあります。

04

相続人の中に亡くなっている人がいる

数次相続など、
通常より相続関係の確認が複雑になる場合があります。

05

親の不動産をすべて把握できていない

実家以外にも土地や持分がある可能性がある場合は、
不動産調査も重要になります。

06

遠方の不動産を相続した

自宅から離れた場所に不動産があると、
自分で調査・手続きを進める負担が大きくなります。

07

時間をかけたくない

仕事や家族のことで忙しく、
戸籍収集や法務局への対応に
時間を使えない場合も、
司法書士へ任せるメリットがあります。

日本司法書士会連合会も、
長期間登記されていないケース、
相続人がすでに死亡しているケース、
急ぎの登記、
所有不動産が明確でないケースなどでは
司法書士への依頼を検討するよう案内しています。

「難しいから頼む」だけではありません。
「時間を使わないために頼む」
という選択もあります。

INHERITANCE REGISTRATION

相続登記を相談できる司法書士を探す

実家の名義を変えたい。
必要書類が分からない。
自分でやるか司法書士に頼むか迷っている。

そんな段階なら、
まずは

相続登記に対応している司法書士の
相談内容や費用を確認

してみましょう。

相続登記の相談先を探す →

※相談条件・料金・対応地域などを確認したうえでご利用ください。

相続登記で失敗しない司法書士の選び方7つ

01

相続登記を扱っているか

司法書士にも
それぞれ得意分野があります。
相続登記を継続的に扱っているか確認します。

02

料金を総額で説明してくれるか

「司法書士報酬」だけでなく、
登録免許税、戸籍取得費、
その他の実費まで含めて確認します。

03

どこまで料金に含まれるか

戸籍収集、
不動産調査、
遺産分割協議書の作成などが
基本料金に含まれるか確認します。

04

複雑な相続にも対応できるか

数次相続や多数の不動産など、
自分のケースに対応した経験があるか確認します。

05

説明が分かりやすいか

「何のための書類なのか」
「なぜこの手続きが必要なのか」を
分かる言葉で説明してくれるかも大切です。

06

他の専門家と連携できるか

相続税なら税理士、
相続人同士でもめているなら弁護士など、
他士業の力が必要になることがあります。

07

質問しやすいか

相続登記は、
普段聞き慣れない言葉も多い手続きです。
分からないことを質問しやすい相手かも確認しましょう。

一番安い司法書士ではなく、
「何を、どこまでやってくれるか」が
分かる司法書士を選ぶ。

司法書士への初回相談で聞きたい7つの質問

この7つを確認しておく
  • 相続登記をどのくらい扱っていますか?
  • このケースの登記は複雑ですか?
  • 必要な書類は何ですか?
  • 戸籍などの取得もお願いできますか?
  • 登録免許税を含めた総額はいくらくらいですか?
  • 追加料金がかかるのはどんな場合ですか?
  • 税理士や弁護士が必要な場合は連携できますか?
見積書は「金額」だけでなく「中身」を見る

同じ金額に見えても、
戸籍収集まで含まれているのか、
登記申請だけなのかで
サービス内容は変わります。
「何をしてもらえる料金なのか」まで
確認しましょう。

こんな司法書士は慎重に考える

司法書士を選ぶときは、
料金の安さだけで判断しないことが大切です。

一度確認したいポイント
  • 料金の内訳が分からない
  • 追加費用の説明がない
  • 相続登記の経験を確認できない
  • 説明がほとんどない
  • 質問への回答が分かりにくい
  • すぐ契約するよう急かされる


相続登記は、
「安く終わらせること」より、
「あとから困らない形で終わらせること」が大切です。

司法書士への相談から相続登記完了までの流れ

STEP
01

相続する不動産を確認する

実家や土地など、
分かる範囲で不動産を整理します。

STEP
02

司法書士へ相談する

相続関係や不動産の状況を伝え、
必要な手続きを確認します。

STEP
03

見積もりを確認する

司法書士報酬だけでなく、
登録免許税や実費まで確認します。

STEP
04

必要書類をそろえる

戸籍などを準備します。
依頼内容によっては
司法書士へ取得を任せることもできます。

STEP
05

法務局へ申請する

書類がそろったら、
相続登記を申請します。

STEP
06

登記完了を確認する

手続き完了後は、
登記完了証や登記識別情報通知などを
大切に保管します。

JUDICIAL SCRIVENER SEARCH

実家の相続登記、自分だけで進めるのが不安なら

まずは「何が必要か」を確認してみる。

相続登記には期限があります。
相続人が多い、
不動産が複数ある、
名義が古いままになっているなどの場合は、
早めに整理しておくと安心です。

依頼するか決める前に、

相続登記に対応している司法書士の
費用や対応内容を比較

してみましょう。

相続登記に詳しい司法書士を探す →

※相談条件・料金・対応内容は司法書士事務所やサービスによって異なります。

まとめ|相続登記は「自分でできるか」より「自分でやるべきか」で考える

相続登記は、
自分で申請することもできます。

実家1軒で、
相続人が少なく、
誰が相続するか決まっているなど、
比較的シンプルなケースなら
自分で進める選択肢もあります。

一方、
相続人や不動産が多い、
名義が何代も前のまま、
必要な不動産を把握できないなどの場合には、
司法書士へ相談することで
負担を減らせることがあります。

司法書士を選ぶときの7つのポイント
  • 相続登記の経験
  • 総額が分かる料金説明
  • 業務範囲が明確
  • 複雑な相続への対応
  • 説明の分かりやすさ
  • 他士業との連携
  • 質問しやすさ
相続登記で大切なのは、
「自分でやれば安い」だけで決めないこと。


お金を節約するなら自分で。
時間と手間を減らしたいなら司法書士へ。
自分の相続の複雑さと負担を見て
選ぶことが大切です。

免責事項
本記事は、
相続登記や司法書士への依頼について、
一般的な情報をわかりやすく紹介することを目的としています。
相続登記の申請義務、
登録免許税、
必要書類、
司法書士が対応できる業務範囲などは、
個別の相続関係や不動産の状況によって異なる場合があります。
実際に手続きを行う場合は、
法務省・法務局などの最新情報を確認し、
必要に応じて司法書士などの専門家へご相談ください。

START FROM 39

実家を相続したら、名義まで整理する

相続しただけでは、
手続きがすべて終わったわけではありません。

実家を売る。
残す。
貸す。
次の世代へ引き継ぐ。

どの選択をするとしても、

「今、誰の名義になっているのか」

を整理しておくことが、
次の一歩につながります。

家族・相続の記事をもっと見る →