親が亡くなり、
遺言書を探してみたけれど見つからない。

そんなとき、
「遺産はどうやって分ければいいの?」
と不安になる人は少なくありません。

こんな疑問はありませんか?

「遺言書がないと、誰が相続するの?」
「長男が多く相続するの?」
「兄弟で均等に分けなければいけない?」
「実家は誰が相続する?」
「話し合いがまとまらなかったらどうなる?」

遺言書がない場合でも、
相続できなくなるわけではありません。

まず法律上の相続人を確認し、
そのうえで
相続人全員で遺産の分け方を話し合う
のが基本です。

遺言書がないからといって、
遺産が「自動的に法定相続分どおりに分けられる」
わけではありません。


大切なのは、
「誰が相続人なのか」と
「どんな財産があるのか」を確認してから、
分け方を考えることです。

この記事でわかること
  • 遺言書がない場合の相続の基本
  • 誰が法定相続人になるのか
  • 配偶者・子・親・兄弟姉妹の相続順位
  • 法定相続分の考え方
  • 遺産分割協議とは何か
  • 実家など分けにくい財産の考え方
  • 話し合いがまとまらない場合の対応

遺言書がないと、相続はどうなる?

遺言書がない場合、
まず法律上
誰が相続人になるのか
を確認します。

そのうえで、
預貯金、不動産、株式など
亡くなった人の財産を確認し、
相続人同士で
「誰が何を相続するのか」を話し合います。

01
相続人を確認する

戸籍などを確認して、法律上の相続人を確定します。

02
財産を確認する

預金、不動産、株式、借金などを整理します。

03
法定相続分を確認する

法律上の取り分の目安を確認します。

04
遺産分割協議をする

相続人全員で、実際の分け方を話し合います。

05
合意内容を書面にする

必要に応じて遺産分割協議書を作成し、名義変更などへ進みます。

「遺言書なし=国が分け方を決める」ではない

遺言書がなければ、
法律で相続人や法定相続分は決まります。
ただし、実際に誰がどの財産を取得するのかについては、
相続人同士で話し合って決めることができます。

まず「誰が相続人なのか」を確認する

遺言書がない場合に、
最初に確認したいのが
法定相続人です。

法定相続人とは、
民法によって相続する権利が定められている人のこと。

家族だからといって、
全員が同じように相続人になるわけではありません。

配偶者は原則として常に相続人

法律上の配偶者は、
原則として常に相続人になります。
そのうえで、子ども、父母などの直系尊属、
兄弟姉妹の順番で相続人が決まります。

たとえば、
父が亡くなり、
母と子ども2人がいる場合。

基本的には、
母と子ども2人が相続人になります。

一方で、
子どもがいるのに
亡くなった人の兄弟姉妹まで一緒に相続人になる、
というわけではありません。

相続人には順位がある

配偶者以外の相続人には、
法律上の順位があります。

01

第1順位|子ども

亡くなった人に子どもがいる場合、
子どもが第1順位の相続人になります。

02

第2順位|父母などの直系尊属

子どもやその代襲相続人がいない場合は、
父母などの直系尊属が相続人になります。

03

第3順位|兄弟姉妹

子どもなどの第1順位、
父母などの第2順位の相続人がいない場合に、
兄弟姉妹が相続人になります。

すでに亡くなっている人がいる場合

子どもが先に亡くなっている場合に孫が相続人になったり、
兄弟姉妹が先に亡くなっている場合に
甥・姪が相続人になったりする
「代襲相続」が発生することがあります。

家族関係が複雑な場合は、
自分たちだけの思い込みで相続人を決めないことが大切です。

法定相続分はいくら?

相続人が決まったら、
次に知っておきたいのが
法定相続分です。

法定相続分とは、
民法で定められている
相続割合の基本的な目安です。

相続人 法定相続分
配偶者+子 配偶者1/2・子1/2
配偶者+父母など 配偶者2/3・父母など1/3
配偶者+兄弟姉妹 配偶者3/4・兄弟姉妹1/4

たとえば|母+子ども2人の場合

父が亡くなり、
相続人が母と子ども2人なら、

母:1/2
子どもA:1/4
子どもB:1/4

が法定相続分の基本です。

子どもが複数いる場合は、
子ども全体の相続分を
原則として人数で分けます。

法定相続分どおりに分けなければいけない?

ここは、
相続で特に誤解されやすいところです。

法定相続分は、
「必ずこの割合で財産を分けなければならない」
という意味ではありません。

相続人全員が合意すれば、
実際の遺産の分け方を話し合って決めることができます。

たとえば

相続財産が、

・実家 3,000万円相当
・預金 2,000万円

だったとします。

すべての財産を
物理的に法定相続分どおり切り分ける必要はありません。

「母が実家を取得する」
「子どもたちは預金を取得する」

など、
家族の事情に合わせて分け方を検討できます。

大切なのは相続人全員の合意

一部の相続人だけで分け方を決めるのではなく、
相続人を正しく確認したうえで、
全員で話し合うことが重要です。

遺産の全体像を確認する

分け方を話し合う前に、
亡くなった人に
どんな財産があったのかを確認します。

確認しておきたい主なもの
  • 現金・預貯金
  • 土地・建物
  • 株式・投資信託など
  • 自動車
  • 貴金属など価値のあるもの
  • 生命保険などの契約
  • 貸付金などの権利
  • 借入金・ローン
  • 未払い金・保証債務など

「銀行預金だけ分けて、
あとから実家が出てきた」
ということになれば、
もう一度話し合いが必要になることがあります。


遺産分割を始める前に、
できるだけ財産の全体像を確認しておくことが大切です。

遺産分割協議で分け方を決める

遺言書などによって
遺産の分け方が決まっていない場合、
相続人同士で
遺産分割協議を行います。

難しい言葉に聞こえますが、
要するに
「誰がどの財産を相続するのかを家族で話し合うこと」です。

STEP
01

相続人を確定する

戸籍などを確認して、協議に参加する相続人を確認します。

STEP
02

遺産を一覧にする

預金、不動産、株式など、財産の全体像を整理します。

STEP
03

分け方を話し合う

法定相続分も参考にしながら、誰が何を取得するかを話し合います。

STEP
04

遺産分割協議書を作成する

合意した内容を文書にし、その後の名義変更などに使います。

相続人を一人でも見落とさない

遺産分割は、
誰が正式な相続人なのかを確認したうえで進める必要があります。
知らなかった相続人が後から判明すると、
手続きをやり直さなければならないことがあります。

実家など「分けにくい財産」はどうする?

相続で難しくなりやすいのが、
不動産です。

預金なら金額で分けやすい一方、
一軒の実家を兄弟3人で
物理的に3分割することはできません。

01

現物分割

「実家は長男、預金は次男」など、
財産そのものをそれぞれ取得する方法です。

02

代償分割

一人が実家を取得し、
他の相続人へ金銭などを支払って調整する方法です。

03

換価分割

不動産などを売却し、
売却代金を相続人で分ける方法です。

04

共有

複数の相続人が共有持分を持つ形で相続する方法です。

「とりあえず共有」は慎重に

共有にすると、
将来の売却や管理について
複数の所有者間で調整が必要になります。
さらに次の相続が発生すると、
権利関係が複雑になることもあります。

実家を相続する場合は、
「今どう分けるか」だけでなく、
5年後、10年後にその家をどうするのか
まで考えておくことが大切です。

話し合いがまとまらない場合は?

相続人同士で話し合っても、
分け方がまとまらないことがあります。

よくある意見の違い

「親の介護をした自分が多くもらいたい」
「兄だけ生前に援助してもらっていた」
「実家を売りたい人と残したい人がいる」
「財産の評価額に納得できない」
「兄弟と連絡すら取れない」

こうした場合、
無理に家族だけで結論を出そうとすると、
感情的な対立が深くなることがあります。

当事者同士の話し合いでまとまらない場合には、
家庭裁判所の
遺産分割調停
を利用する方法があります。

01
家族で話し合う

まず相続人同士で分け方を協議します。

02
専門家へ相談する

法律上の争いがある場合などは、弁護士への相談を検討します。

03
遺産分割調停

家庭裁判所で合意を目指して話し合います。

04
まとまらなければ審判へ

調停が成立しない場合、審判手続へ移ることがあります。

相続でもめたときに大切なのは、
「どちらが勝つか」だけではなく、
何について意見が違っているのかを整理することです。

遺言書がない相続で注意したいこと

01

相続人を思い込みで決めない

遺産分割を始める前に、
戸籍などで相続人を正式に確認します。

02

財産だけでなく借金も確認する

相続では、
プラスの財産だけでなく
借金などの債務も関係します。

03

法定相続分だけで結論を出さない

法定相続分は重要な基準ですが、
実際の財産構成や家族の事情を見ながら
分け方を検討します。

04

一人だけで財産を動かさない

相続関係や財産状況が確定する前に、
独断で処分したり分配したりすることは避けましょう。

05

もめそうなら早めに専門家へ

兄弟間で主張が大きく異なる場合や、
財産の範囲そのものに争いがある場合は、
早めに弁護士などへ相談する方法があります。

まとめ|遺言書がなくても、順番に整理すれば相続は進められる

遺言書がないからといって、
相続ができなくなるわけではありません。

大切なのは、
最初から
「誰がいくらもらうか」を決めようとしないことです。

STEP
01

相続人を確認する

誰が法律上の相続人なのかを確認します。

STEP
02

財産と借金を確認する

何を相続するのか、全体像を整理します。

STEP
03

法定相続分を知る

法律上の基本的な取り分を確認します。

STEP
04

相続人全員で話し合う

実際に誰が何を相続するのかを決めます。

STEP
05

合意した内容を書面にする

必要に応じて遺産分割協議書を作成し、その後の手続きへ進みます。

遺言書がなくても、
「相続人 → 財産 → 法定相続分 → 話し合い」
の順番で整理すれば、
相続の全体像は見えてきます。


相続で大切なのは、
早く分けることより、
家族全員が納得できる形を探していくことです。

免責事項
本記事は、遺言書がない場合の相続や遺産分割について、
一般的な情報をわかりやすく紹介することを目的としています。
実際の相続人の範囲、相続分、遺産分割、相続税、
不動産の登記などは、家族関係や財産状況によって異なる場合があります。
判断が難しい場合や相続人間で意見がまとまらない場合は、
家庭裁判所・法務局などの公的機関の最新情報を確認し、
必要に応じて弁護士・司法書士・税理士などの専門家へご相談ください。

START FROM 39

相続は、「誰が何をもらうか」だけの話ではありません

実家、預金、家族、これからの暮らし。

相続を考えることは、
親が築いてきたものを
次の世代へどうつないでいくかを考えることでもあります。

Start From 39では、
家族・相続・終活について、
「今から知っておきたいこと」
をわかりやすく紹介しています。

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